新型コロナワクチンの製造ライン。当初は、アメリカのファイザーやモデルナといった海外製のワクチンに頼るしかなかった。国産ワクチンの製造も始まっているが、福島県南相馬市の拠点も大きな役割を果たすことになる。
新型コロナウイルスに対応する新たなタイプのワクチン・「レプリコンワクチン」の製造・販売を日本政府が世界で初めて承認したことを受けて開かれた11月28日の会見。
医療用医薬品の製造販売を行う「Meiji Seikaファルマ」と南相馬市でワクチンの素になる原薬の製造を行うARCALIS(アルカリス)などが今後の製造や販売について説明した。
ARCALIS・高松聡社長:「日本初のmRNA治療薬・ワクチンの原薬製剤、一気通貫製造能力で南相馬から、この福島の地から世界に医薬品の供給を行うということを目標にかかげて」
ウイルスに対抗する成分が体内で増殖する仕組みを備え、少ない接種量で効果が持続し、副反応も抑えられるというレプリコンワクチン。南相馬市のARCALISが原薬の製造を始めていて、1年間に最大10億回分のワクチン供給を支える原薬を製造できるよう工場の整備も進めている。
ARCALISでは、2024年の秋頃から、流行する新型コロナ対応の原薬も製造する計画で、国内のワクチン供給で大きな役割を担うことになる。
<新型コロナワクチン接種の現状>
現在は7回目となる接種が行われていて、ワクチンはオミクロン株対応のものが使われている。
接種の対象は生後6カ月以上の人で、感染した場合に重症化しやすいとされる65才以上の高齢者と基礎疾患がある人は接種が「努力義務」となっている。
費用については、2024年3月末までは自己負担はないが、2024年4月以降はインフルエンザと同じ扱いになるため、自己負担が発生する。
初めて接種を受ける場合は、ワクチンの種類によって3週間から4週間の間隔をあけての2回接種が1セットとなる。4歳までの子どもは、3回で1セットになる場合もある。
接種はあくまで自己判断で、希望する場合には費用の負担が発生するかどうか、確認した方がよさそうだ。