マリス博士の「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という意味

PCRの発明者キャリーマリス博士は、「PCRを感染症の診断に使ってはならない」という言葉を残して、謎の死を遂げました。PCRを使えば、感度および特異性の高い病原体の検出が可能であるにも関わらず、このような遺言を残したことにどのような意味があるのでしょうか。今回は、今回の騒動を作り出すきっかけとなった科学論文をもとにして、その問題点を考えてみます。
 今回問題となっているウイルスのゲノム遺伝子を決めたのは、中国のグループから出された論文でした。この論文の考察では、「一人の患者からウイルスを分離しただけでは、肺炎の原因とは言えない」という謙虚な表現が使われています。しかし、この論文の校正時に追加された文面には、「WHOは、このウイルスで引き起こされる疾患にCOVID-19という公式名を公表した」という記載があります。すなわち、WHOがはこのウイルスを病原体と認定したということになります。感染症の病原体という認識がここから発生するわけです。科学的な根拠により、このウイルスが感染症の病原体という証明がされたわけではなく、国際機関という権威が認めることにより、世界にこのウイルスが感染症の病原体であるという共通認識が出来たと考えることが出来ます。PCR検査が、この中国のグループの遺伝子情報をもとにして、世界中でおこなわれるようになった「検査、検査、検査」「そして隔離」という言葉も、このような背景のもとに出てきたわけです。さらに無症状者が感染源になるというドイツのグループから出された論文では、新型ウイルスが世界中に広まっているという記載が冒頭に見られます。これは、PCR検査で陽性になった人が世界中に見られているという事実を、ウイルスが広まっているという表現に置き換えたわけです。そして、発症者と無症状期に接触のあった人共にPCR陽性になったことから、無症状期の人が感染源となると論文タイトル断じているわけです。しかしPCRは遺伝子の類似性を見るだけで同一性の証明ではありません。感染時期が近い人であれば遺伝子の同一性が確認できるはずですが、この確認を行っていません。さらに前検査もないために、もともと関係者が持っていた常在ウイルスある可能性もあります。しかし、他の可能性に言及することもなく、無症状者が感染源になるという結論に達しているわけです。
 このような過程を経て、あるウイルスが明確な科学的根拠もなく、「無症状であっても伝搬力を有する恐ろしい病原体である」という共通認識が世界中に広まりました。そして健常者のマスク着用、自粛、ソーシャルディスタンス、接触履歴記録などの騒動につながったと考えられます。このような科学的根拠の乏しい認識が、いかにも科学的根拠があるような印象が作り出される過程を注目すると、世界機関の権威が重要な役割を果たしていることが判ります。マリス博士の警告は、PCRを権威者が悪用することを意味しているのかも知れません。

新型コロナ遺伝子を報告した中国論文
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2008-3.pdf

無症状者からの新型コロナ感染 ドイツ論文
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2001468

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