PCR検査では、このウイルス対策は不可能である

現在問題となっているウイルス対策として、PCR検査の充実が行われようとしています。しかし、PCR検査が、このウイルス対策に適切なのかという議論はあまりされていません。PCRの発明者で、ノーベル化学賞受賞者のキャリーマリスが、「PCRは、感染症の診断に使ってはならない」という趣旨の言葉を残しています。この発言の意味について、これまで詳細に検討されたことはありません。今回は、この言葉の意味を分かりやすい例をもとに解説します。
 RNAウイルスが、変異が多いことで知られています。RNAの複製機構には、複製の誤りを修正する機能がないことから、DNAの複製に比べるとはるかに遺伝子変異が多くなります。ウイルスの形質を決めるタンパク質の構造は、遺伝子から情報を得ています。遺伝子の情報は、塩基3つを単位(コドン)として一つのアミノ酸を決定しています。1つのアミノ酸を決定するコドンは、平均すると3種類あります。すなわち、1つのアミノ酸に対してコドンは3種類の可能性があるわけです。PCR検査では、プライマーという短い遺伝子2本を使って、遺伝子を増幅します。1つのプライマーはおよそ20塩基ほどの長さですから、2つのプライマーで40塩基になります。40塩基は13のアミノ酸に対応するコドンの情報を持っているわけです。一つのアミノ酸あたり3種類のコドンの可能性があるので、13アミノ酸では、3の13乗通り、すなわち約150万通りの遺伝子構造の可能性があるわけです。しかし、厳密にプライマーと目標の遺伝子との結合をおこなわせるようにPCRの反応条件を設定すると、PCRで検出できるのは、150万通りの遺伝子の中でただ1種類だけになります。今回問題となっているRNAウイルスの変異がどの程度存在するかは、不明です。感染研マニュアルの遺伝子シークエンスをするタイプのPCRでは、中国論文と95%程度以上の類似性を陽性限界にしています。このマニュアルが作成されたのは3月ですから、この時点で遺伝子変異がかなり進んでいることを示しています。すなわちPCR検査では、現在検出できない変異体が多数存在していることになります。そのために、変異体の調査をしないままに、PCR検査をいくら行っても、感染拡大の防止策にならないことは明らかです。そのために、PCR検査の充実は意味がないばかりでなく、もしこのウイルスが危険だというのなら、至急PCRに代わる検査法の確立しないと、感染拡大を防げません。PCR検査の問題点を認識しないと、大変なことになるのです。すなわち、PCR検査では、ウイルス対策は出来ないのです。遺伝子変異の実態調査のないPCR検査は、病原体ウイルス検査としての医学的意味はありません。キャリーマリスの言葉を重く受け止めないといけないのです。

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