https://youtube.com/watch?v=srv6llcf-fo
「量子科学技術研究開発機構 新技術説明会」(2017年8月1日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/program/2017_qst.html
【新技術の概要】
グラフェンは究極的に薄い電子やスピンの導線としてナノエレクトロニクスやスピントロニクスなど様々な分野への応用が期待されています。本講演では、厚さが一原子層のグラフェンやグラフェンと類似の構造を持つ六方晶窒化硼素を使ってナノ粒子の形状や配列を精密に制御したり、ナノ粒子や界面の磁気的な性質を制御する技術を紹介します。
【従来技術・競合技術との比較】
従来は、グラフェン自身の物性の解明や利用が研究されてきました。これに対して、私たちは、グラフェンを異なる材料と複合化することで発現する新物性・機能に注目しています。一原子分の厚さのグラフェンや窒化硼素が、組み合わせて用いる材料のナノスケールの構造や物性に大きな寄与を及ぼすことが明らかになりつつあります。
【新技術の特徴】
・グラフェン等の上にサイズが揃った数ナノメートル以下のナノ粒子やワイヤーを規則的に並べることができます。
・グラフェンや窒化硼素を厚さが究極的に薄い表面被覆層や絶縁層として用いることができます。
・磁性材料と組み合わせて用いることでグラフェンの電子のスピンを揃えたり磁性材料のスピンの向きを制御できます。
【想定される用途】
・磁気記録デバイスやスピントロニクスデバイス
・積層型ナノデバイス等の電極材料や絶縁材料
・電子・磁気・光学的機能性や触媒性を有する金属・半導体量子ドット