「炭素原子1層のグラフェンで作製した透明なアンテナ」 青山学院大学 理工学部 電気電子工学科 教授 黄 晋二

https://youtube.com/watch?v=9cKF-9yCgvY

「青山学院大学 新技術説明会」(2018年11月22日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/aoyama/2018_aoyama.html

【新技術の概要】
厚さがわずか原子1層の単層グラフェンをアンテナエレメントとする透明アンテナを開発した。透明アンテナを用いることで、シルエットを損なわすことなく無線機能を付与することができ、例えば、ビルや自動車ガラスなどの透明性を維持したままアンテナを設置することができる。

【従来技術・競合技術との比較】
グラフェンを用いて作製した透明アンテナは、ITO等の既存の透明導電膜では実現することのできない、90%を超える高い光学的透明性とフレキシブル性を有する。また、メタルフリー、かつ超軽量という特性も兼ね備えている。

【新技術の特徴】
・2次元物質グラフェンのアンテナ応用
・世界で最も薄く、軽い、透明なアンテナ
・フレキシブル、かつメタルフリーな透明アンテナ

【想定される用途】
・自動車や建物の窓ガラス
・メガネ、腕時計、ディスプレイ画面に搭載する透明アンテナ
・5G用透明アンテナ

ナノ炭素材料・グラフェン/徳島大学 永瀬 雅夫 先生【夢ナビTALK】

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【地上最強、史上最速!? ~究極のナノ材料グラフェンの可能性と課題~】
https://yumenavi.info/lecture.aspx?GNKCD=g009797

「グラフェンを使ってナノスケールの磁気を制御する」 量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部プロジェクト「陽電子ナノ物性研究」 上席研究員 境 誠司

https://youtube.com/watch?v=srv6llcf-fo

「量子科学技術研究開発機構 新技術説明会」(2017年8月1日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/program/2017_qst.html

【新技術の概要】
グラフェンは究極的に薄い電子やスピンの導線としてナノエレクトロニクスやスピントロニクスなど様々な分野への応用が期待されています。本講演では、厚さが一原子層のグラフェンやグラフェンと類似の構造を持つ六方晶窒化硼素を使ってナノ粒子の形状や配列を精密に制御したり、ナノ粒子や界面の磁気的な性質を制御する技術を紹介します。

【従来技術・競合技術との比較】
従来は、グラフェン自身の物性の解明や利用が研究されてきました。これに対して、私たちは、グラフェンを異なる材料と複合化することで発現する新物性・機能に注目しています。一原子分の厚さのグラフェンや窒化硼素が、組み合わせて用いる材料のナノスケールの構造や物性に大きな寄与を及ぼすことが明らかになりつつあります。

【新技術の特徴】
・グラフェン等の上にサイズが揃った数ナノメートル以下のナノ粒子やワイヤーを規則的に並べることができます。
・グラフェンや窒化硼素を厚さが究極的に薄い表面被覆層や絶縁層として用いることができます。
・磁性材料と組み合わせて用いることでグラフェンの電子のスピンを揃えたり磁性材料のスピンの向きを制御できます。

【想定される用途】
・磁気記録デバイスやスピントロニクスデバイス
・積層型ナノデバイス等の電極材料や絶縁材料
・電子・磁気・光学的機能性や触媒性を有する金属・半導体量子ドット

「新たな機能を持つ材料やデバイスを生み出すグラフェン分散液の製造方法 」 宇都宮大学 大学院工学研究科 物質環境化学専攻 准教授 佐藤 正秀

「材料分野 新技術説明会」(2019年6月27日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/4u/2019_4u2.html

【新技術の概要】
水-疎水性イオン液体2液相系での黒鉛の電気化学的剥離により、酸素含有量の低い部分酸化グラフェンを疎水性イオン液体中に均一に分散させる方法で、通常の電気化学的剥離に比べ、水濃度の極めて低いグラフェン系材料分散イオン液体を調製が可能である。

【従来技術・競合技術との比較】
従来のイオン液体中での黒鉛の電気化学的剥離法は水の溶解度が数10%以上の親水性イオン液体水溶液中で行われ酸素含有量が多くグラフェンに対して数10%以上導電性・熱伝導性の低い酸化グラフェン分散液が得られる。それに対して本法では導電性・熱伝導性が高い部分酸化グラフェン分散液が得られる。

【新技術の特徴】
・簡便な方法で黒鉛などの安価な材料を使ってグラフェン系材料を調製できる
・市販の疎水性イオン液体をそのまま利用できる(新規イオン液体の合成不要)
・電解条件など操作条件を広範囲に変更でき、それによりグラフェンの表面含酸素量などを制御可能

【想定される用途】
・電界効果トランジスタの様な半導体素子
・透明性と高い導電性 熱伝導性から透明電極(タッチパネル)及び各種ポリマー分散可能な導電性・熱伝導性フィラー剤
・化学プラントや放射線の環境下のガスセンサー、発光電気化学セル及び高速応答赤外線センサーなどへの応用