“地震5分後”に撮影 津波の脅威…発生5日目 いまだ見えぬ被害の全容【報道ステーション】(2024年1月5日)

https://youtube.com/watch?v=g6apVlY9KTk

地震発生から5日目を迎えても、いまだ被害の全容が見えません。

元日の珠洲市を襲った津波。地震発生から、わずか5分後の映像です。住宅街を駆けめぐる津波の勢いは、車を浮かせて、押し流すほどです。

津波の被害は、どれほどのものだったのか。
能登半島の大動脈、国道249号。震度7の地震の震源地となった珠洲市に入ると、景色が変わりました。道路には亀裂が走り陥没。う回した道路の周りも崩れた建物ばかりです。

地震発生直後、津波に襲われた珠洲市。しかし、その時点から潮位計のデータが届かなくなっていました。上空からの画像を気象庁が分析したところ、海だった観測地点周辺は、地面が露わに。地盤が隆起したことで、潮位計が海面より高くなり、観測できなくなったとみられます。

日本地理学会によりますと、浸水した範囲は約80ヘクタール。宝立町鵜飼では、標高3メートルほどまで津波が到達していたといいます。
住民:「川の水がもう引いてたんです。濁流みたいに潮が引く。津波の前兆、それを見たので、車を捨てていきました」

地震で崩れた道路が行く手を阻みます。やっと通じた県道の先、震源に近い展望台は、支援物資の集積場所になっていました。

家族で帰省していたところ、被災した男性。
帰省中に被災・田中憲士さん(44):「同じような人らがたくさんいるんで、備蓄も、どこも元々、住んでる人の分しか備蓄してなかったので、今回、帰省客が多いんで、足りていないんですって、どこも」

両手には、たくさんのスマホが。避難しているほかの人のスマホも預かって来たそうです。
帰省中に被災・田中憲士さん(44):「どんな情報が入っているか知りたいので、預かって。わかる範囲で、誰が無事か、あの人どうなったか確認しに。(Q.歩いて)歩いて。(Q.何時間かかった)2時間くらいはかかりますね。(Q.これからが大変ですよね)そうですよね。いろいろ情報が入って来ていて、希望が見えてきたので、情報がないというのが、水とか食料の次にきつかったので。これが入ってきて、もう少し頑張ろうという気持ちが出てきたので、なんとか金沢まで戻れるように頑張っていきたい」

輪島市では、道路の状況を確認するため、県の土木事務所が、車を走らせました。でも、その直後、引き返してきます。
土木事務所の職員:「この先、100メートルほど行ったところで、落石になっていて、全部、ふさいでいる状況。(Q.地上からの救出は難しい状況か)わかりませんね。あっちもこっちも寸断されているので」

輪島市で、これまでに死亡が確認されたのは55人。安否のわからない人は121人と、今回の地震で、最も多くの人的被害が出ています。

1300年続いてきたとされる輪島の朝市は、もう跡形もありません。国土地理院の分析によりますと、4万8000平方メートルが焼けたと推定されることがわかりました。東京ドームを上回るほどの広さです。

なぜ、これほどまで被害が広がったのか。出火直後、動画を撮影した住民に話を聞きました。
動画撮影者・坂上公平さん(74):「誰1人もいないんだよ。みんな逃げたんですよね。大津波から一目散に、車を置いて逃げた。火がついてボンボン、怖くて近づけないくらい火柱が立つし、(車が)燃えると隣に移るし」

消火活動が始まっても一筋縄ではいきませんでした。
動画撮影者・坂上公平さん(74):「(地震で)消火栓が、全部、止まった。『川の水から取ったら?そこが川だから』と言ったら、『川の水が引いて取れないんだ』と。おそらく津波で引いたのでは。『海の水があるから、そこから取ったら?』と言ったら『怖くて行けない』と」

生存率が下がるとされる72時間を超えても、助け出される人はいます。ただ…
救助された女性の長男:「母親は救助されたんですけど。弟が母親をかばっていて、それで母親は大丈夫だったみたい。母親が助けられたとき、かなり低体温だったんだけど、弟が側にいて、その体温で、低体温が防げたのでは」

男性の弟は、母親に覆いかぶさるようにして亡くなっていたそうです。

400人が身を寄せる避難所では、ようやく仮設トイレが設置されました。
避難した住民:「避難所の中にも簡易トイレはありますけど、もう詰まっちゃって、あふれる状態ですから。排泄は、一番、みんな困っていると思います」

事情があって避難所に行けない人たちもいます。
輪島市にある施設では、ケアが必要な高齢者や障害者10人が避難生活を送っています。
社会福祉法人『弘和会』・藤沢美春部長:「認知症や一般の方と一緒にいれない方が、行政の方から依頼があって、こちらの方に来ている方も何名かいる。障害のある方は、災害があったときに一般の避難所には行けない。なぜなら、通常と違うことに混乱し、障害特性によってはパニックになったり、避難所で大声上げたりとか、皆さんと一緒にいられない」

部屋を分けて、地域の人たちも受け入れています。被災した職員も多く、人手が足りません。
社会福祉法人『弘和会』・藤沢美春部長:「普段の数に比べたら10分の1くらいしか来ていない。職員が5日間、着の身着のままで仕事しているので。職員も被災して、家が潰れた方が何人もいる。5日目で、みなさん先が見えない。職員も、きょう1人倒れたので限界かなと」
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焦点はウクライナへの“複数年”支援 NATO首脳会議が開幕(2023年7月11日)

https://youtube.com/watch?v=Thu6yFVn1VQ

NATO首脳会議が日本時間11日午後8時過ぎ、開幕しました。ウクライナへの長期的な軍事支援が打ち出せるかが焦点です。

首脳会議は、バルト三国のリトアニアで2日間に渡って開かれます。

ウクライナへの全面侵攻が始まってから500日が経過するなか、さらなる長期化を見据え“複数年”という単位での軍事支援をウクライナに表明するべく、加盟国の協議が行われているとみられます。

ウクライナが長年求めてきたNATO加盟についても、将来の加盟に向けた道筋が議論される予定です。

前日には、スウェーデンのNATO加盟について難色を示していたトルコが態度を翻し、スウェーデンの加盟がほぼ確実になりました。
NATO・ストルテンベルグ事務総長:「スウェーデンのNATO加盟は、この重要な時期において、全NATOの安全保障に恩恵をもたらす歴史的一歩となります」

これで北欧5カ国すべてがNATO陣営に加わることになり、ロシアはさらに苦しい立場に立たされることになります。
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「憲法違反だ」政治に不満か…参院選めぐり国を提訴“総理襲撃”木村容疑者(2023年4月18日)

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和歌山の漁港で岸田総理に爆発物を投げ付けた、木村隆二容疑者(24)が犯行当日に身に着けていたリュックの中身が判明しました。

何らかの液体の入った水筒。粉末が入った小瓶。約30センチ四方で、厚さ2ミリほどの金属製の板。ライターとスプーンも入っていました。ライターは、リュックにあったものとは別に、もう1つ所持していたということです。

捜査関係者によりますと、この漁港で総理や閣僚といった要人の警護をした実績は、今のところ確認されていません。

犯行の動機は分かっていませんが、現行の選挙制度に不満を抱えていたとみられ、国を提訴していました。

裁判記録などによりますと、木村容疑者は当時23歳。公職選挙法で定められた30歳以上の被選挙権を満たさず、供託金の300万円も用意できなかったため、参院選に立候補できませんでした。こうした状況を憲法違反だとして、国に10万円の損害賠償を求めました。

国賠訴訟『準備書面』から:「満23歳の原告が、満30歳と同じ『大人』であるにもかかわらず、社会的経験に基づく思慮が十分でないとするのは差別である。被選挙権年齢を成年年齢以上に設定していることに、何ら理由がないことは明白である」

こうした書面を木村容疑者は自分で用意したのかもしれません。というのも、裁判は、代理人弁護士をつけない『本人訴訟』で行われていました。本人訴訟とは、どういったケースで行うものなのでしょうか。

永沢徹弁護士:「この種の国家賠償の訴訟、行政訴訟というのは、自分の思いの丈を国家にぶつけたい、政治信条を貫く手段として、訴訟を使うことが比較的多い」

民事裁判での本人訴訟は珍しくありません。簡易裁判所の場合、7割以上が当事者双方、本人訴訟です。ただ、専門的な書類を個人で作成することは簡単ではありません。木村容疑者の文面について、弁護士はこう話します。

永沢徹弁護士:「最高裁判例の要約をしたものが、自分の論拠に使われているのは、法律家がよく使うやり方ですので、そういった意味では、なかなかこなれた文章だなと思います」

ですが、ほころびも…。

永沢徹弁護士:「一方で、岸田総理の国葬の判断について述べている点は、これは選挙権が害された主張とは直接結びつかない。他の部分は、憲法違反を根拠を持って理路整然と主張しているわけですが、この部分だけは若干、違和感があると感じます」

裁判の記録によりますと、木村容疑者は、具体的な政治家の名前を挙げて、自らの主張を展開しています。

国賠訴訟『準備書面』から:「故安倍晋三の様な既存政治家が、政治家であり続けられたのは、旧統一教会の様なカルト団体、組織票をもつ団体と癒着していたからである。普通選挙を行っていれば、有権者にとって適当な候補者が立候補できるから、投票率は上がり、組織票の割合は下がり、特定団体と癒着した候補者は少なくなり、議会制民主主義は保たれるのである」

そして、岸田総理の名前も…。

国賠訴訟『準備書面』から:「岸田内閣は、故安倍晋三の国葬を世論の反対多数の中で、議会での審理を経ずに閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は、許されるべきものではない。政治家が国民のために存在しないに至ったのは、制限選挙を続けてきたからであり、既存政治家がそれによって当選する仕組みを作り上げたからである」

神戸地裁は去年11月、被選挙権の年齢の規定や供託金の額は「合理的な理由があり、憲法違反にあたらない」として請求を棄却しました。木村容疑者は、この判決を不服として大阪高裁に控訴。来月下旬、判決が出る予定でした。

裁判を時系列で追うと、訴状を作成した日付の約3週間後、安倍元総理の銃撃事件が起きました。そして、裁判のさなか、木村容疑者は地元・川西市議の市政報告会に参加していたとみられます。その場には、大串デジタル副大臣がいて、木村容疑者とみられる男から話しかけられていました。

大串デジタル副大臣:「市会議員になることに関心があるような話でしたね。被選挙権を法改正してほしいというような。誰でも選挙に出られるようにするのが、本来の憲法の趣旨じゃないかと」

その一方で、政策についての話は一切なかったといいます。国に損害賠償を求める訴えに加え、副大臣への直訴。被選挙権の年齢引き下げに強いこだわりを持って、一刻も早く議員になりたがっていた理由は、見えていません。

容疑者の裁判について書き込まれているTwitterのアカウントがあります。開設されたのは、木村容疑者が提訴した、去年6月。訴状の画像とともに「参院選に立候補出来なかったとして、20代前半の原告が国を提訴しました」とコメントしています。

裁判日程などの情報も木村容疑者の裁判と一致していて、警察も存在を把握しています。なかには、岸田総理を批判するツイートも…。

容疑者の裁判について書き込まれているTwitter:「岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません。世襲がはびこる原因は、立候補するだけで300万円もの供託金を要求する違憲な公選法があるからです。庶民は立候補出来ず、民主主義は崩壊します」

木村容疑者の弁護士:「(Q.どんな話を)答えられない。(Q.どんな様子。ぐったりしていたとか、疲れていたとか)(Q.認めたり否認とかは)中身については、お答えは控えさせてもらう。(Q.普通の雑談には応じる)ごめんなさい。事務所に戻ります」

捜査関係者によりますと、木村容疑者は黙秘を続けているといいます。17日に病院に行ったとの情報については、取り調べに支障が出るものではないとしています。
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独自「火炎瓶持って…」供述で判明した旧統一教会“襲撃計画”安倍元総理を狙った理由(2022年7月12日)

安倍元総理を銃撃した山上徹也容疑者(41)の、これまで明らかにされていなかった詳細な供述を取材することができました。

山上徹也容疑者:「私は、近鉄大和西大寺駅近くで、選挙の演説をしていた安倍元総理を散弾銃で撃って殺そうとしました。本当は統一教会のトップを狙っていましたが、韓国にいて、コロナウイルスのために日本に来ませんでした。安倍元総理を狙って撃てば死ぬかもしれないことは分かっていましたが、どうしても統一教会が許せず、そこにつながっている安倍元総理を散弾銃で撃ったのです」

はっきりと認めた“強い殺意”。そして、山上容疑者が語ったのは、長年にわたって膨らんでいった“恨み”でした。

山上徹也容疑者:「20~30年前に、母親が統一教会に入会しました。その後、多額のお金を振り込んだ影響で破産。それがそもそもの元凶です。その頃から恨んでいました。当時はナイフ1本を持って、教会の会合などをしている周辺をウロウロしたりしていました。トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁をずっと狙っていました」

韓鶴子氏は“旧統一教会”の創設者の妻であり、名前を変えた現在の『世界平和統一家庭連合』の総裁を務める人物です。

山上容疑者の母親は1998年、山上容疑者が高校3年生の時に、当時の統一教会に入会したとみられています。

どれだけ献金していたのかなど、詳しくは分かっていませんが、山上容疑者の母親は2002年に自己破産しています。

山上容疑者の実家からは「家庭を壊された」と、積年の恨みを走り書きしたようなノートも見つかっています。

山上容疑者は韓総裁に対し、実際に行動を起こしていたことも新たに分かりました。

山上徹也容疑者:「2~3年前に、愛知に韓総裁が来ていました。その時、火炎瓶を持って行きました。教会のメンバーしか会場内に入れなかったので、行くだけで何もできませんでした」

3年前、韓総裁が来日した際、火炎瓶で襲撃を試みようとしたと山上容疑者は話しています。

その後、コロナのパンデミックによって、韓総裁が来日する機会は訪れませんでした。

すると山上容疑者は、恨みの矛先を安倍元総理にも向けるようになります。

山上徹也容疑者:「元凶は韓総裁かと思っていました。だから韓国に行って殺ってやろうかとも思いましたが、出国などできないと思いやめました。韓総裁を日本に連れてきた岸元総理の孫ということで、安倍元総理も一緒と思っていました。今年の3月か4月に、安倍元総理が統一教会に向けてビデオメッセージを送っていました」

岸元総理の名前を口にする山上容疑者。ただ、団体側は11日の会見でこう説明しています。

世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「私たち法人との関係というよりは、創設者の文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁、韓鶴子総裁が推進する平和運動に、強く理解を深めてくださっていたと私は理解しています。私たちの教団は、韓国から宣教師が送られてきて、その宣教師によって1人から2人3人と広がって定着した宗教団体です。従って、その動きのなかに岸元総理が何か特別な計らいをしたとか、あるいは特別な影響を与えているかということは、まずないと思います」

また、安倍元総理のビデオメッセージについては、別の組織である友好団体宛に送られたものだったと説明しています。

山上容疑者は、自作した武器のことも詳しく供述しています。作っていたのは銃だけではありませんでした。

山上徹也容疑者:「圧力鍋の爆弾等を最初に作りました。試しに爆発させたりしましたが、特定の誰かを狙うのは向いていませんでした。銃ならば狙って撃てると思い、銃を作りました。昨年の秋ごろに銃は完成し、弾はネットで空の薬莢(やっきょう)を買ってから火薬を詰めました」

そして、実際に行動を起こします。それが事件前日の7日、岡山市民会館での演説です。

山上徹也容疑者:「実際に安倍元総理を殺そうと動いたのは、岡山県に行ったことです。自民党のホームページで、安倍元総理が岡山に応援演説に行くと予定表があったので、自分も岡山に行きました。3発発射できる銃を持っていきました。黒いリュックに入れて、弾は入った状態で、バッテリーだけ外して持っていきました」

岡山に向かう前、7日の未明には、奈良市内にある教会関連施設に隣接する建物へ“銃の試し撃ち”をしたとみられます。7日午前4時ごろ、その銃声と思われるものが防犯カメラに捉えられていました。

しかし、岡山で犯行に及ぶことはありませんでした。その理由も詳しく話しています。

山上徹也容疑者:「安倍元総理が会場に入る時か出る時を狙っていましたが、裏口からの入退場で、周りにSPがいるので、結局その日は何もできませんでした。帰りの新幹線で、自民党のホームページで、安倍元総理が翌日、奈良県に来ることが分かりました。岡山で実行できなかったので諦めかけていましたが、奈良に来るということなので、この日に安倍元総理を殺そうと思いました」
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トランプ氏は再び表舞台に?民主党“前哨戦”で敗北(2021年11月3日)

https://youtube.com/watch?v=7IEUPeQHmVI

アメリカ・バージニア州知事選で、バイデン大統領が支援する候補が、共和党の候補に敗れました。

今回の選挙は、来年に控える中間選挙の前哨戦と言われていますが、その選挙戦で、見え隠れしたのは、トランプ前大統領です。

ワシントン支局・布施哲支局長に聞きます。

(Q.共和党陣営がトランプ氏を隠したのはなぜですか)

布施哲支局長:「これまでトランプ不支持だった無党派層を、共和党が取りにいこうとしたからです。足元の物価高やインフレに対する不満が、特に無党派層を中心に渦巻いています。ある子ども連れの男性は『さっきガソリンを入れたんだけど、ガソリン価格がまた上がっていた」と話していました。また、ある高級住宅街にある学校の先生は『コロナ禍の失業の問題が富裕層に及んでいる。ある失業した親は、ベンツに乗って学校給食の無料配布の列に並んでいる」、共和党に入れたという女性は『バイデン大統領は、気候変動に力を入れるのはいいけども、それよりも、目先の生活に対する手当をしてほしい』と話していました。今回のバイデン大統領に対する逆風は、こうした点に尽きます。共和党は、経済の課題を中心に無党派層・中間層に訴えて支持を取り付けたといえます」

最新の世論調査によりますと、共和党支持者の約8割が、次期大統領選でトランプ氏に出馬してほしいと答えています。

(Q.トランプ氏は再び表舞台に出てきますか)

布施哲支局長:「間違いなく、2024年の大統領選挙に出てくると思います。共和党内の期待感は高く、自身のSNSを立ち上げたばかりです。支持者に対しては、連日のように献金を呼び掛けるメールを送っています。これらを総合すると、トランプ氏が2024年の大統領選挙へ再出馬することは、ほぼ確実だと思います」

(Q.来年に中間選挙を控えています。今回の敗北はバイデン政権にとってかなり痛手ではないですか)

布施哲支局長:「バイデン政権にとって深刻な結果だといえそうです。共和党は今回、コアなトランプ支持者を固めつつも、無党派層にリーチすることに成功しました。今後、この成功が共和党の勝ちパターンとして定着した場合は、来年の中間選挙はもとより、その先の大統領選挙で躍進する可能性が出てきます。気が早い話ですが、このトレンドが続けば、来年の中間選挙で民主党が上下両院を失う可能性もあるという分析まで出てきています。仮に上院、もしくは下院を失えば、新しい法律案が通らなくなりますので、バイデン政権は新しいことを始められなくなります。バイデン大統領はこれまで“未来への投資”ということで、気候変動問題に力を入れてきましたが、これが無党派層に浸透しているとは言えません。トランプ待望論で高まる共和党に対抗するためには、今後、生活の半径1メートル以内で、有権者が改善や変化を実感できる成果を挙げられるかがポイントになると思います」
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“トランプ隠し”理由は・・・バイデン政権が牙城で敗北(2021年11月3日)

https://youtube.com/watch?v=lHkyaC0u8oY

アメリカ・バージニア州知事選で、バイデン大統領が支援する候補が、共和党の候補に敗れました。

今回の選挙は、来年に控える中間選挙の前哨戦と言われていますが、その選挙戦で見え隠れしたのは、トランプ前大統領です。

バージニア州は先の大統領選でバイデン大統領が圧勝した民主党の牙城です。支持率を見ても、民主党候補が圧勝しておかしくなかったこの選挙戦。この1年で何が起きていたのでしょうか。

共和党候補であるグレン・ヤンキン氏が力を入れていたのは、無党派層へのアプローチでした。
共和党、グレン・ヤンキン候補:「この選挙は、民主党vs共和党の戦いではないし、政治思想うんぬんの話でもありません。これはバージニア州の未来を模索する選挙なのです」

その声は、しっかり無党派層の心をつかんでいました。
集会の参加者:「(Q.バイデン政権をどう評価するか)アフガニスタンの撤退は悲惨でした。現地に人が置き去りにされました」
集会の参加者:「(Q.無党派層に支持が広がっていることについて)経済に何が起きているのか、みんな感じ取っています。バイデン政策で家計が打撃を受けているのです。無党派は国や個人の利益を考えて投票します」

就任以来、バイデン政権といえば、アフガニスタンの撤退に始まり、国内の物流は混乱、ガソリンは高騰、肝いりだった経済政策は身内からの反対で縮小を余儀なくされるなど、マイナス要素の連続です。支持率も下降の一途を辿り、今は不支持が上回っています。

共和党候補のヤンキン氏は元々、トランプ支持者としても知られていた実業家で、5月には「私が出馬する意義は、トランプ大統領によるところが大きい」と話していました。

しかし、今回の選挙戦では、トランプ前大統領が参加したイベントには姿を現さず、距離を取りました。無党派層にはトランプ前大統領にアレルギーがある人も多いので“トランプ隠し”を徹底しました。
男性:「民主党離れの動きは、税や歳出の悪い政策が原因だ。大統領選はバイデンの勝利ではなく、トランプへの抵抗感が生んだ結果。なぜバイデンに投票したのか、国民は疑問を抱き始めています」

一方の民主党候補、テリー・マコーリフ氏は、過去に一度、バージア州知事を務めている元職です。訴えるのは「ヤンキン候補=トランプ前大統領」というものでした。
民主党、テリー・マコーリフ候補:「グレン・ヤンキンは、トランプから9回も支持表明を受けている。ワクチン未接種、マスクをしない教師のもとに子どもを通わせたいですか?“グレン・トランプキン”が勝ったら、そうなります」

選挙戦には、バイデン大統領をはじめ、オバマ元大統領やハリス副大統領も応援に入りました。
バイデン大統領:「私はドナルド・トランプと闘いましたが、テリーはドナルド・トランプの“従者”と闘っています」

ただ、、こうした声は無党派層にはピンとこないようです。
集会参加者:「バイデンの場合は何も聞こえてこない。だから何をしているのか分からない。彼が精神的に持たないと思う人が、私の周りにはたくさんいます」

投票を終えたある有権者は、こう話しました。
民主党支持者:「生まれて初めて、共和党候補に投じました。民主党が国民の自由を守ってくれると思えなくなりました。急進左派に寄った政権、日常生活への様々な打撃に納得できなくなった人が増えたんだと思います」
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